金継ぎ修繕事例001:【ガラス器 欠け】
食器のカスタマイズとして金継ぎ修理を承っています。
今回は、ガラス器の縁部の欠けを修理した事例をご紹介。
【Before】
この器自体はオリジナルカタログに掲載してある「氷塊(ひだまり)」というシリーズ。その名の通り、塊状のガラスなので強度も高いのですが、うっかり落としてしまい、エッジの部分に欠けが生じました。
単純な美観以上に、ガラスの断面は鋭い切れ味を持っているので、このままでは危険です。
【After】
金継ぎというと陶磁器のイメージが強くありますが、近年ではガラスへの接着性を上げた漆が開発されたこともあり、ガラスの修繕が可能となりました。
ただ、陶磁器の場合は基本的に多孔質な土の部分に漆が入り込む状況になるので、かなりの強度を出すことが出来るのに対し、ガラスは素材自体に吸い込む要素がないので、箇所によっては直せないこともあるのが事実です。
今回は端の部分で、何か力が掛かる部分ではないので無事直すことができました。
今回使った金色は、多くの人が想像するゴールドに近い「赤金(代用金)」。
無色透明の世界に一色だけメタリックが入ることで、どこかオーパーツのような不思議な雰囲気を持った仕上がりになりました。
金継ぎに関するご相談は以下よりどうぞ。