『ソラとミズ』
『空と水』。一見するとが手で掴めないかの様な幻想的な雰囲気を持ったガラスの器です。
世に数多くのガラス器はあれど、この『ソラとミズ』はそれらと少し違うプロセスで作られた器。
そこにこの不思議な質感を作る秘密があります。
『ソラとミズ』という名前は、作り手が幼い頃、海中で波に飲まれた時に垣間見た「空と水」の狭間で感じた色味を表現していることから。
そこには単純な情景以外に、命が失われていたかもしれない「此方(こなた、この世)と彼方(かなた、あの世)」の間を覗き見るかのような深い心象風景が込められています。心を掴まれるような感覚はこの素地に由来するのかもしれません。
だからこそ、当初はこの紫と青の色合いだけを「ソラとミズ」としていました。ただ、そのあまりに鮮烈な印象から多くのお客様から「このシリーズ=ソラとミズ」と認識を頂いたことから、シリーズ名そのものを今の形に統合したという経緯があります。
(上から)ソラとミズ、サクラ、ミゾレ
一般的なガラス器は生産性が良い吹きガラスを使って作りますが、この器は「パート・ド・ヴェール」という古代にルーツを持つ幻の技法で作られています。一度に多量を作ることも出来ませんし、失敗率も低くない技法ではあるのですが、吹きガラスとはまた違う独特な質感を生み出す事が出来るのが魅力です。
ソラとミズの霞を切り出した様な不思議な質感も、この技法ならではの大量に含まれる小さな泡の乱反射を活かしたもの。そこを通って現れる透過光の柔らかさも、空間に独特な緊張を伴うような空気感を作り出します。
この器が「生と死の狭間」だとするなら、料理は「命から命への変換」。
そんな似た性質を持つ二者だからこそ、互いの存在を引き立て合うのかもしれません。
この器を手に取る度に、「物」という存在の奥深さを感じずにはいられません。
フードスタイリング
レストランエール
※この商品はオンラインショップではお取り扱いしていません。御用命の場合は一度メールにてご連絡ください。
基本的には受注生産のため、納期を要します点だけご理解ください。