『箸置き、カトラリーレスト』のご紹介2 /すずり石
先回の『箸置き、カトラリーレスト』のご紹介1 ではステンレスの箸置きとカトラリーレストをご紹介しましたが、今回はロングセラーアイテムである『すずり石』のカトラリーレストについて触れたいと思います。
そもそも、「すずり石」の正確な名称は「玄昌石(げんしょうせき)」と言います。
古代ペルム紀(それこそ恐竜が栄えるより以前の時代)の土や泥が、積み重なって出来た後の時代の地層に押しつぶされる形で圧縮されて生まれた天然石。「粘板岩(ねんばんがん)」と呼ばれる石材の一種で、採掘段階からグレー〜黒っぽい色なのと、劈開性(へきかいせい。剥がれるように割れる性質。)を持っているのが特徴です。
古くから墨を摺る「硯(すずり)」の素材として重用されてきたため、OHASHIブランドの中では『すずり石』という名前で呼称しています。
保冷性が高いことからプレートとしてのイメージが強い「すずり石」シリーズですが、実は箸置きやカトラリーレストなどもシリーズ初期からラインナップしていて、ありがたいことに長くご愛顧いただいています。
(上)「すずり石」加工前の石材
類似する商品に「スレート」と呼ばれる物がありますが、こちらは同じ「粘板岩」ながら、「すずり石」より薄く割れるため古くから屋根材として広く使われていて、比較的安価なのが特徴。土壌の組成によって密度や色味が異なるため、産地によって等級分けが為されているそう。主な産地としてはスペイン、ブラジルなどが有名ですが、ヨーロッパをはじめとする世界各地で採掘されています。
一方、日本産である「すずり石」は地震国という立地が関係するのか、密度が高いのが特徴で、一般的なスレートとは違い、比較的厚い材を確保することが出来るというアドバンテージを持っています。だから書道硯のように彫刻が必要な造形にも耐えるわけです。
カトラリーレストや箸置きというものは、先回こそ「色々な素材がそれになりうる」というようなことを書きましたが、実際にはシンプルな機能故に素材や造形の差が如実に出てしまうという隠れた難しさがあります。
その点において、薄く割れるスレートよりも、厚く作れて石らしい重厚感を持たせられる“すずり石”は、カトラリーレストや箸置きに向いている素材と言えます。事実、スレートのお皿というものは良く見られますが、箸置きなどはあまり見かけません。
主役にこそなりませんが、実は最初のお出迎えから最後の下げ膳までずっとテーブル上に居るこれらのアイテム。
だからこそ、是非ともこだわりのあるものをお使いいただきたいなと思います。
- すずり石カトラリーレストC
すずり石のカトラリーレストの中で最もスタンダードなのが、このカトラリーレストC。
シンプルなブロック状で、上面だけ石肌を残した仕上げとしてあります。
便宜上、「上面」としましたが彫り込みなどが無い形状なので、当然磨いてあるフラット面や立てて横の細い面を使っても良いでしょう。
メニューによってカトラリーの構成が変わっても違和感なく使えるというメリットもあります。
どのレストにするか迷ったら、まずおすすめしたいモデルです。
2. すずり石カトラリーレストB
棒状のレストに箸用の窪みを付けたのが、こちらのカトラリーレストB。
当然ながら箸を構成に加えたい場合に有効ではありますが、特筆すべきはそのバランス。カトラリーレストCがやや幅広でどっしりしているのに対し、カトラリーレストBのベースはそれより少し細めにしてあるので、スタイリッシュに見えるのが特徴。
Cutipolなどの細身のカトラリーと合わせるなら、こちらか下の「Bロング」をおすすめします。
公式オンラインストア:すずり石カトラリーレストB
※投稿段階では在庫を切らしておりますが、ご注文後1〜1.5ヶ月程度でご用意出来るかと思います。
3. すずり石カトラリーレストBロング
上のカトラリーレストBのレスト部を長く取ったモデル。
ナイフ+フォークの組み合わせであれば「B」の幅で足りますが、ここにスプーンを加えると、さすがに少し窮屈になってしまいます。そんな場合に有効なのが、この「Bロング」モデル。
よほどテーブルスペースが限られるなどの事情が無い限り、このぐらいの丈があった方が応用が効くので、まずはこちらから検討されることをおすすめします。
※この他の形状もございます。詳細をご希望の場合はお手数ですがお問い合わせフォームよりお知らせいただきたく思います。