EDEN『クリスタルグリーン』
渋みのある黄檗(きはだ)色に、少しだけ青混じりのグリーンの結晶が美しい一皿。
商品としては先週の『スノーフラワー』の色違いですが、色が入ることで華やかな色合いに仕上がっています。
結晶が折り重なる様子はどこか草原のよう。
器単体で見ると鮮やかな雰囲気ですが、使っている色自体は自然な色味なので、盛り付けの邪魔になることはありません。
同系統の青や緑はもちろん、補色である赤なども映えるでしょう。
時折、余白の表情が出る時があります。
こんな風に単体で開く結晶はまるでハスの葉のよう。地の黄檗色も相まって、何か曼陀羅図や日本画のようにも見えてきますね。
これもまた魅力的なポイントですが、最近は結晶が良く開く仕上がりが多いので、このような仕上がりの物はレアになりつつあります。
米どころである新潟では馴染み深い稲田の色合いにも重なります。
ここから段々と黄金色に変わっていきますが、お盆の時期はちょうどこんな色味。
“浮雲柳絮人間世 流水桃花物外春”
漢詩にこんな一編があります。
意味は、『柳の種がふわりと浮くように人の世は儚い。それでも水は流れ、春には桃の花が咲く。』
人間の事物とは関わりなく、花は季節になればちゃんと咲くし、新しい生命は生まれます。
難しい時流になりつつありますが、自然のサイクルを垣間見ると、ヒトもまた自然の一部でしかない、
ということを改めて考えさせられます。
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